言葉の重要性
最近読んだ本で「世界一自分を変える方法」脳科学者の西 剛志が出されているのですが、この本で脳と言葉の関係がとても重要であることがわかった。言葉は声に出して使う言葉だけじゃない、自分の心の中でつぶやく愚痴、や自問自答する時に使う自己内会話でも使う「言葉」には気をつけなければならない。
この本では言葉が脳に与える影響がよくわかる内容で、脳は前向きな言葉や、言葉の持つ意味を正確に(無意識に)処理を行い認識する、逆も然りです。
この本で紹介されているとてもシンプルに自分を変える方法が、「でも」と言う言葉を使うだけでも、特にネガティブ思考の人は大きく変化することを実感できると思います。
言葉の語源は
言葉は人間の生活にとって有用でありながら、時に人を傷つけてしまったり自分自身を縛りつけてしまうこともあると思います。そんな言葉とはそもそもどうやってできたのか?答えはどうやら誰かが発明したものでもなく、なんとなく長い年月をかけて出来上がってきたものの様です。それは約10万年前の大昔から人間が人間同士で共存するには自然と言葉を用いることが必要になってきた為です、さらに猿や犬、鳥の他の動物も言葉は用いずとも、音や表情、姿勢、動き、匂い、さらには振動や電気信号など、様々な形で表現しコミュニケーションを行っているとされています。不思議なことですが、偶然にも人間の脳は脅威的な学習能力を備えている為、柔軟に物事を学習し発展させることができる動物です、これが人間の持つ最大の特徴ですが、まさに言葉は人間の能力によって発展してきたと言えるでしょう。
言霊
言葉に関連する事を取り上げると「言霊」と言う言葉を思い浮かべる方も多いと思います。言霊(ことだま)は言葉に宿る霊力、またはその力のことです。古代日本人は、発した言葉が現実世界に影響を与え、良い言葉を言うと良いことが起き、悪い言葉を言うと悪いことが起きると信じていました。この言霊の説は確かに言葉の持つ意味に脳は反応し、行動に影響を与える為、脳科学の観点から説明がつくだろう。その為 この本を読んで理解できたのは、言葉は言霊説の様に現実世界へ直接霊力によって影響を与えると言うよりも、言葉の意味を自分の脳が認識し自分の行動に大きく影響し、ネガティブ思考の人は、ネガティブなことが起こる前にネガティブな言葉を使い、ネガティブな事が起こるような行動を積み重ねた結果良くない状態に陥るのだと考えられるのではないだろうか。
脳の特殊な機能
脳は主語を理解しない
例えば「バカヤロウ」と相手に言ったはずなのに、自分の気持ちもよくないのは、相手に対する言葉が、自分にも伝わっているからです。これは脳の特性として脳は主語を理解できないと言うことにあります。
脳が主語を理解できないということは、愚痴や悪口は自身が放ったとしても、脳は全部自分事として認識してしまいます、逆に褒め言葉を言うと自分が褒められた様に感じるのです。
ミラーニューロン
人間の脳にはミラーニューロンと言う神経細胞があり、これは別名ものまね細胞と言われるもので、他者の行動や感情を観察した際に、まるで自分がその行動や感情を体験しているかのように脳内で反応する現象です。相手の感情や思考を理解し、共感する能力にエンパシーがありますが、ミラーニューロンはこのエンパシーと密接な関係があり、ミラーニューロンの活動が共感を生み出す上で重要な役割を果たしているとされています。
その為、脳は言葉の構造における主語という要素を、言葉の文法的な理解としてではなく、相手の行動や状況を模倣し、その時に感じる感情や気持ちを共有するための「心の理論」として捉える、ということを意味します。これがミラーニューロンの特性です。このミラーニューロンは脳が言葉を介して受ける影響とは少し違いますが、人の行動や感情を観察することで、脳は無意識にポジティブな面もネガティブな面も汲み取る能力がありその影響を受ける可能性がある為、良くも悪くも感化されると言うことです。
言語の成り立ちとして言語能力(言葉)を獲得でき発展してきたことも、このミラーニューロンが重要な役割を担っていると考えられています。
問いかけの力
世界で成功している人たちは、人生の指針として自分自身に問いかけをしています。代表的な例はスティーブン・ジョブズが、毎朝、自分に対して「もし今日が人生最後の日だったら、僕は今からすることを「したい」と思うだろうか?」と問いかけていたのは有名な話です。またフェイスブックを創業したマーク・ザッカーバーグも、「今僕は自分にできるいちばん大切なことをやっているだろうか?」と毎日の様に問いかけていると語っています。これらの問いかけは重要であり、著者 石田勝紀 「同じ勉強をしていて、なぜ差がつくのか?」では問いかけについて以下のような説明があります。
例えば「あなたの家の住所はどこですか?」と問われると、住所を答えられるますよね。これは「知識」で、頭に住所が入っているから答えられます。
しかし、次のように質問されたらどうでしょうか?「なぜ、その家に住もうと思ったのですか?」 こう問われたら、「え、なぜだろう?」と考えますよね。このとき、脳の神経細胞・シナプスに電気信号が走り、「考える」状態となるのです。 人は何を問われるかによって、頭脳の働き方が変わります。「何」「どこ」「誰」「いつ」「どっち」といった問いも情報としては重要ですが、何かを考えることにはつながらないのです。
引用:kindle版 同じ勉強をしていて、なぜ差がつくのか? P71、72
このような問いを自問することで、自分の行動のきっかけを見直したり、本来自分がなりたい、やりたいことに気づく事ができます。そうやって今の自分の行いを見直したり、これからの自分の行動を変えることで、自分を変えることにつながると思うのです。
まとめ
・言葉自体は、人間の共存生活の為に10万年前から使われ始め、発展してきた。もともと生活手段の言葉が人間の学習能力(ミラーニューロン)により、多くの意味を示し持つ言葉ができた。その使う言葉の意味を脳は理解し、認識することで影響があることが脳科学の観点から証明されている。
・また脳の特性上、脳は主語を認識しない為、〇〇さんへの悪口や〇〇さんへの褒め言葉は、「〇〇さんは」と言う主語を認識しない為、脳は自分の事として認識してしまう。
脳には他者の行動や感情を観察した際に、まるで自分がその行動や感情を体験しているかのように脳内で反応する現象を起こすミラーニューロンと言う神経細胞がある。これは言葉を飛び越え、他者の感情や行動を理解し共感する事ができる。これは無意識に行われる為、憧れのものや模範となる良い影響化の物事に触れることで感化され、良い影響を受けることで自分を変えることにつながる。
・「今僕は自分にできるいちばん大切なことをやっているだろうか?」世界の成功者達の自分への問いかけの様に、自分自身に問いかけを行うことで、脳は脳の神経細胞・シナプスに電気信号が走り、「考える」状態となり、物事をしっかり考えた上での行動を決定する事ができる。
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