8月全国の予選を勝ち抜いた高校生が夢の甲子園出場を叶え、この舞台で記録的猛暑にも負けない白熱する闘いを繰り広げている。2025年本屋大賞2位に輝いた「アルプス席の母」を読み終えていたので、主人公である高校球児の気持ちも然り、時々カメラワークに映るアルプス席の母の気持ちも同時に汲み取れてここまでの苦労が伝わってくる。
「アルプス席の母」この小説を通じて、甲子園野球、高校球児そしてその球児を支える母について、自分の知らない世界を知ることができた。これが読書による体験なんだとも実感できたのもとても良かった。
この作品ではとてもリアルに赤裸々に高校球児とその母親が甲子園を目指す姿が描かれている。球場でプレイするのは高校球児達だ、今までスポットライトは当然のごとく自然と彼らなのだが、その舞台の裏では彼らを支える、このストーリーでは母の姿がある。「えっ!こんなことがあんの」、「これは大変だ」って何度も思わされました、でもこれが現実かぁ!
高校野球最高峰の甲子園を目指すのは簡単なことではない、チャンスはそう簡単には巡ってこない、また野球のセンスだけが重要なんじゃなくて、自分の能力だけでは乗り越えられない、自分意外の周りの人の為を思う気持ちが原動力になることだってあるんだと思い知らされた。
結局のところ結果論でもいいんだ、「諦めなければ報われる」といった種類の話なのかもしれないと思えるように、どの瞬間も前向いて進んでくことを積み重ねることの大切さをこの親子から学んだ。
母の努力と息子を思う気持ちが描かれるこの作品は、当事者である高校球児やこれから高校球児として甲子園目指そうと思っているみんなに是非読んでもらいたい小説だ。
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