ササイナブログをご御覧いただきありがとうございます。今回2024年1月26日に発売された
「考えすぎない練習 著者 ジョセフ・グエン」を読んでみて考える事に対して得られた事と浮かび上がった疑問についての探求と結果について綴っていきます。
この本を読んでみようと思う方や、このタイトルの記事をご覧になる方は少なからず考え過ぎて疲れているかたが多いのではないでしょうか。
情報過多な時代に日々の暮らしの中で、あれも、これもと気になること、考えておかなければならないこと、またはある出来事で必然と考えさせられる事もあるかと思います、そんな事で頭の中がパンクしそうなくらい思考が渦巻き、もう考えたくないと放心状態を求めて近年では瞑想ブームも巻き起こっています。
この本ではそんな思考について、「考える」ことについての弊害を分かり易い話の例と著名人の名言を合わせて解説し説得力のある1冊となっています。一部スピリチュアル要素も含む内容もありますが、現実的な例題と論理的な解説の流れで、筆者は自然と納得できる内容でした。
「考え」と「考える」の違い
本のタイトルでは「考えすぎない」とありますが、そもそも「考える」ことについてこの本ではまず解説しています。「考える」と「考え」と言う2つの言葉がありますが、同じ線上にあることのようで、それぞれに明確な意味の違いがあります。わかり易く英語にすると
- 考え=Thoughts
- 考える=Thinking
この様に「考え」は名詞であり持っている物の名前であり、「考える」は行為となります
例えば論文を書く時を例にすると、まず「論文のテーマを決めます」、これが「考え」でありこのテーマについて、「深堀して書いていく」これが「考える」と言うことです。
この違いを認識していくことでこの本の内容の意味を理解することができます。
考えの世界で生きる
1つある出来事が起こったときにその場にいた2人のある人物は、その出来事に対して抱く印象はまったく同じと言い切れるか?!、たまたま同じ印象を抱くことも当然であることを含め、1つの事実に対して万人が普遍的な印象を受けることはありえるかと言えば、あり得ることではないと思います。
つまり人は物事の捉え方が人それぞれ違うと言うことです。有名な名言にドイツの思想家であったフリードリヒニーチェはこのように考えました。
事実と言うものは存在しない。存在するのは解釈だけである
フリードリヒニーチェ
この解釈は=考えとなり、人はその人それぞれの「考え」の世界で生きていると言うことになります
考える弊害
著者はこの「考え」について「考える」ことをやめる必要がると言う内容に進んでいきます。一部抜粋すると
自分の考えについて考えた瞬間に、私たちは感情のジェットコースターに乗せられます。自分の考えについて思考すると、私たちはその考えについて判断や批判を始め、あらゆる種類の感情的な苦しみを経験するのです
考え過ぎない練習 著者ジョセフ・グエン
考えには感情も入っているため、納得のいく見解だと筆者は思いました。
ここで筆者が疑問に思えてきたのが、なぜ考えることがそもそも「ネガティブベース」であるのかと言うことです。ネガティブベースであるが故に考え過ぎないようにする練習までしなければならないことの発端はなんだろうと言うことです。
生存本能
私たちは何かについて考えを巡らすことは、やはりネガティブな部分にフォーカスしがちであり、著者も以下のように述べている
考えている時にしかネガティブな感情は抱けない
考え過ぎない練習 著者ジョセフ・グレン
だから考えに考えを巡らさなければ良いと言う論理が理解できる。ではなぜ考えている時に人はネガティブになるのか?本書でもこの部分に少し触れてはいるのですが、筆者なりに詳しく納得の行く見解を纏めてみました
それは人間の生存本能として組み込まれたシステムであるということです。
著者 堀田秀吾 「最先端研究で導き出された「考えない」人の考え方」にある内容ではこう書かれています。
行動原理とはカンタンに言えば「生物が何に突き動かされているか」ということ。 生物学と心理学をかけ合わせた「進化心理学」という学問では、人間の行動原理をこう説明しています。 人はみな「不安」によって動く
著者 堀田秀吾 最先端研究で導き出された「考えない」人の考え方
このことから人間は根本的にネガティブな思考で不安に思い、不安を原動力に行動すると言うことです。
これは人間が狩りをして生き延びていた時代の自然の中で、不安機能がなければ生きていけない環境だったことにあります。その為人間の思考には危機回避の為にネガティブな要素を考え、不安になることで行動をすると言うことです
現代社会では、常に死と隣り合わせと言った環境ではないにしろ、金銭によって損したくない、人間関係で嫌われたくない、マウントをとられたくない、精神的に傷つきたくない、などのリスク回避が考えることで頭の中を渦巻くのではないでしょうか。いわゆる「闘争か逃走」を強いられ、現代病から心身を守る防衛反応としてネガティブな要素は当然として備えられた生存本能のシステムであると言うことです。
これらを踏まえた上で以下の例えでより理解が深まります。
汚く濁った泥水の入ったボウルを私があなたに渡すところを
想像してください。その水を澄んだ状態にするように
お伝えしたら、あなたはどうしますか?ほとんどの人は、水をろ過したり煮沸したりといった方法を口にします。泥水の入ったボウルをしばらく放っておくと、泥がひとりでに水の底に沈み始め、やがて水が自然と澄んでくることに、大半の人が気づきません。 私たちの頭の働き方もこれと同じです。「ろ過」や「煮沸」を試みて思考を乱すのではなく、そのまま放っておけば、思考はひとりでに落ち着いて、私たちの頭は思考から解放されます。水の自然な状態は澄んでおり、私たちの頭の中の自然な状態も、自分で乱さないかぎり澄んでいるのです。
考え過ぎない練習 著者ジョセフ・グエン
本能的に作用するネガティブ思考は必要不可欠なシステムである一方で、情報過多の時代では日々取捨選択を迫られ、泥水の入ったボウルの状態となりがちです。考え過ぎた思考は放っておき落ち着くのを待つ必要があることがよく理解できました。
最後に
最後に考え過ぎない練習と筆者が関連づけておすすめの本を紹介したいと思います
著者 DaiGo 「自分を操る超集中力」こちら集中力に特化した内容の本ですが、考えること、判断する事が集中力に与える影響力などが身につけることができます、考えないことへのメリットとして参考にもなりますので読んおけば為になる本です。
ここまでお読みいただきありがとうございます。この本に関して参考になれば幸いです。
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