作者は町田そのこさんの「宇宙ごはん」ってどんな小説なのか、ページ数403ページとやや長めの物語、主人の宇宙が実の母とその妹、そして商店街のビストロで働く佐伯さんの作るごはんが希望につながる物語。
話の内容はごはんがテーマでどんな話か予測は付かないまま読み始めましたが、とても価値観が変わる、考え方が変わる、誰もが抱えるであろう悩み、でもそこに解決策はないと思い、蓋をして生きている人も救われるような内容でした。
主人公の名前は宙と言う女の子です。ある事情で実の母親の妹に育てられた宙だが、実の母親のもとに引き戻されて一緒に生活を再スタートします。しかしこの母親との関係で理不尽な辛い思いをする宙、そんな時商店街のビストロで働く佐伯さんの優しさと佐伯さんの作る料理に宙は救われます。物語は宙に辛い思い、複雑な心境と言った多くの問題を経験をし成長していく過程にいつも美味しいごはんが出てきます。
作中で宙自身も想像も付かない伏せん的な内容に遭遇します、理不尽で辛い、私は悪くないと思うこともある、事あるごとに降りかかる内容にめげるけど、また美味しいごはんと共に前を向く姿はラストのシーンで感動と鳥肌ものでした。
本の詳細をよく見ると「この物語は、あなたの人生を支えてくれる。」とありました。本当にその通りでした。
人は辛い思いをして、または辛い思いを人に与えてしまったりして落ち込んだり、取り返しのつかないことも生きていれば遭遇してしまうかもしれません。
そんな時でもこの物語の主人公宙のようにいつも心の支えになる人とのごはんや、思い出の味、大好きなごはんを食べる。
辛い時でもごはんで元気を取り戻す。
この主人公の宇宙の生き様に感心しました。とても前向きで人の気持ちが汲み取れる女の子、理不尽な目に遭うこともあるが、思いや感情を素直に表現できてとても強い。
「宇宙ごはん」というタイトルから想像できない方向に進む物語、読後は感動と希望が持てる内容でした。
価格:1760円 |
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